遺書〜a Voice Letter〜

お前がこれを『読む』頃には、俺はもう居ないんだろうね。
でも、きっといいんだ、それで。
お前はお前の、任務をこなせばいい。
どんなに形だけでも、お前には任務なんだろ?
・・・絶対、なんだろ?
どうにかしてるな。俺も・・・お前も。
でも、ね。初めて自分の意志で決めたんだ。
手に入れたんだ。

この太刀を振るう意味を。
自分の立つ理由を。

・・・またバカにされるかな?
「俺たちには必要ないだろう」って。
ふふ、そうだな。お前には要らないよ。
お前は強いから
立っていける。
でも・・・
でも、俺にはできないんだ!

・・・考えたこと、あるかい?
全部、全部夢で。
すべて、何もかも決められたことだったとしたら?
・・・ああ、お前は夢なんか見ないかな?
それとも
それでも立っていけるのかな。
・・・やっぱり俺には無理だよ。
お前にはなれない。
側にも、もう居られそうに無い。

だから

自分の手で
自分の存在意義を
探し出すことにしたんだ。

それが俺の立つ理由。
闘う意味。

「神」の一番近くで
世界の何処よりも上で
全てを見届ける。

ねえ。
俺は見たい。
全部が予定通り終わるのか。
「運命」を変える者が現れるのか。
ねえ・・・?
 
そうそう、お願いがあるんだ。
「お願い」だよ。「任務」じゃない。
だから聞かなくてもいい。

あのさ、俺の誕生日、知ってる?
「興味ない」って言うだろうな。
だから
そうだな。
「お前が最後に俺と逢った日」
・・・その日だけ
その日だけでいいから。
思い出してほしい。

俺のこと。
一緒に居たこと。
俺の最期の
太刀の輝きだけでも。

・・・迷惑?いいだろ、最初で最後の
「お願い」なんだから。

あと、ね。
もう一つあるんだ、「お願い」。
もっとも、これを『読んで』るってコトは
もう叶えてくれたんだろうけど。

ねえ

悪夢を

終わらせて

・・・じゃあ、ね。もう行くよ。
さっきまで騒がしかったけど
もう皆静かになった。
随分周りも汚してしまったけど
大丈夫。
お前の部屋はそのままだから。
それじゃ
どうか元気で。さようなら。

           俺の戦友へ


 ―――ネエ。
    俺ハ知リタイ。
    全テハ「神」ノ思シ召シナノカ。
    ソレトモ人ハ
    オ前ハ
    『未来』ヲ手ニ入レルノカ。
    ネエ・・・―――

 

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