●世界迷作激情〜魔人赤頭巾編〜●
!注意!〜これは昔真神庵に投稿したもの(にちょこっと手を加えたモノ)です。龍麻の性別はどちらでもよろしいんですが(?)、一つ言っておくと、私は壬生っち至上主義です。その他のキャラの扱いがヒドイかもしれませんが、大きな心で許して下さい;おかしいなぁ、私、村雨さん大好きなのになぁ・・・ちなみに壬生っちの扱いもヒドイかも・・・(死)。ウイルスメールとか送り付けないで下さい・・・(泣)
ある所に、それはそれは可愛らしい女のコ(?)が住んでいました。その子の名は龍麻。いつもかぶっている赤頭巾がチャームポイントだったので、赤頭巾ちゃんと呼ばれて
「わかってないな。龍麻のチャームポインツ(複数形)は・・・」
いました(無視)。(「くぅっ!」と涙ながらに去って行く某若旦那)
そんなある日のこと。龍麻はお母さんから、森に住むおばあちゃんのお見舞いに行くよう頼まれました。
「いい?龍麻君。これを必ずおばあちゃんに届けてね。必ず(強調)。」
「あ、美里、これって手作りクッキー?」
「うふふ、そうよ。でも、あなたの分は別に作ってあるから。帰ってから、一緒に食べましょうね。うふふ・・・」
「?うん、分かった!」
あまり人を疑わない龍麻は、お母さんのちょっと(?)尋常でない様子にも「親思いなんだなぁ〜」との感想を持つに留まり、家を出ました。
「そんなところも好きだぜ、ひーちゃ・・・うおっ!!?」
(別に邪な意味もなく発言した剣聖、何者かによって蹴り飛ばされる)
・・・とにかく。龍麻は森の奥にあるおばあちゃんの家を目指して歩いていきました。
龍麻が家を出た頃、おばあちゃんの家の前。そこに忍び寄る一つの影が!
「・・・ここで待っていようか・・・」
そう、狼です。しかも餓狼です、餓狼。シャイ(?)な彼は、なかなか面と向かって龍麻に話し掛けられず、常に陰から見守ったり邪魔そうな人物を闇に葬ったりすることしか出来ませんでしたが(ストーカー)、今日は違います。男・壬生。頑張ります。
ふと、狼が顔を上げました。ある一点をじっと見つめ、声をかけます。
「・・・出て来たらどうです?」
「チッ、バレバレかい」
視線の先から現れたのは、また別の狼。なんかムサい。(爆)
「お久しぶりですね、村雨さん」(バチバチ)
「おう、しばらくだな」(ビシビシ)
二人の間に不穏な空気と火花が広がっています。
「一体どうしたんです?こんな所で」
「そりゃあこっちのセリフだ」
暗雲まで立ち込めてまいりました。地獄絵図まであと一歩。
「僕はここで人を待っているだけですよ」
「奇遇だな、俺もさ」
「・・・」
「・・・」
どちらともなく臨戦体制を整えつつ、両者睨み合いが続く。
「・・・俺と先生の邪魔はさせないぜ・・・?」
「フン。あなたは芙蓉さんとなんちゃって高校生同士、仲良くしてたらどうです?」
「な、なんちゃって・・・」(気にしていたらしい)
思いがけない相手に思いがけない一言を言われ、一瞬たじろぐむさ狼(ひでぇ)。アサシン狼がその隙を見逃すはずがありません。一気に距離をつめます!!
「しまっ・・・!」
「これで終わりさ・・・!」
その時・・・
バタン!!!
「あ〜〜〜♪よく寝た〜〜〜♪」
「ぐはぁっっ!!?」(ヒュ〜〜〜〜・・・キラリンッ!)
「っ!?」
いきなりおばあさんが外に出てきたではありませんか!!ドアの真正面にいたむさ狼は、攻撃力を伴ったその唄に吹き飛ばされ、きれいなお星様になりました(酷)。普段強運の分、スランプの時は徹底的に運が悪いとみた。
「・・・あなたのことは忘れません・・・(何秒かは)」
「ん〜!・・・あら?どなた?」
心地よい目覚めを迎えていた紗夜おばあちゃんは、横にいるアサシン狼に気付きました。(・・・もっと早く・・・もう一匹いた狼にも気付いてあげられれば良かったのにね・・・)
「初めまして。僕は龍麻の・・・友人です」
スウィートハートです、と言いたいのを理性(一握り)で堪える漢・壬生。
「まあ、そうですか!どうぞ、お上がりになって下さい。お茶をいれますね!」
ここでまずおばあちゃんを懐柔しておくのも後々の為に悪くない、と考えた狼は、大人しく家に上がりました。
「龍麻さんのお友達がここに見えるなんて、久しぶりです」
「(ピク!)久しぶり・・・?」
狼の全身からゆら〜りと殺気が立ち昇るのを知ってか知らずか、おばあちゃんは話を続けます。
「ええ。前にも何人か・・・変な忍者とか、金髪鳥頭とか・・・」
心当たりのありまくる狼でしたが、そういえば最近、彼らを見かけていません。
「その人達は・・・?」
「ふふっ。」
微笑。そういえば家の前の花壇、異様に土が盛り上がっていたな、とかぼんやり思いだしちゃう狼。
「さ、お茶がはいりましたよ」
「・・・どうも」
かなり飲むのに勇気の要るお茶でしたが、アサシンの目から見て大丈夫そうだったので、狼はぐぐっと飲みました。
(やるわね・・・)
おばあちゃんは内心そう思いました。
(・・・試されてる・・・?)
狼はそう思いました。
「そうだ、龍麻さんのアルバム見ます?うふふっ」
あるばむ・・・アルバム!!?それはつまり、幼い頃の龍麻がてんこ盛り!!?狼の漢心は激しく揺さぶられます。しかしここで鼻血でも出そうものなら、間違いなく速攻あの世行きだと暗殺者の勘が告げます。
「え、ええ。友人として、見てみたいですね」
笑顔のまま、二人の間には冷気が漂っています。おばあちゃんは席を立つと、アルバムを手に戻ってきました。
「どうぞ」
「どうも・・・!?」
アルバムの表紙には、
『龍麻さんと紗夜v愛の足跡』
とピンクの丸文字が・・・!!
こらえろ、こらえるんだ壬生紅葉!!!
「・・・へぇ、こんなに小さい龍麻、初めて見ましたよ」
心で血涙を流しながらも、努めて平然とアルバムをめくる狼。
よくやった、よくやったぞ壬生紅葉!!お前は英雄だ!!!
(くっ、強敵!)
内心舌打ちしながらもおばあちゃんはにこやかに、一つ一つの写真に解説をつけます。
「これが一緒に公園に行った時のもので、その時の龍麻さんったら・・・あ、こっちが一緒に海に行った時のもので、これは一緒に・・・」
出ました、「一緒に」攻撃!狼の限界もスレスレです!!
(・・・試されてる・・・!!!)
そろそろ決定打を決めようとするおばあちゃん、わざとらしくアルバムの隙間から一枚の写真を落としました。
「あ、ごめんなさい!拾ってもらえますか?」
「ええ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!」
狼は何を見たのでしょう。今となっては誰にも分かりません。
「どうかしました?」
勝利を確信したおばあちゃん。狼はしばらく固まっていましたが、やがて重い口を開けました。
「・・・あなたは・・・」
にこにこ顔のおばあちゃん。
「(僕と龍麻の未来の為に)放っておけない・・・」
しばらく後。何も知らない赤頭巾ちゃんが、やっとこさおばあちゃんの家に辿り着きました。
「ふ〜、すっかり遅くなっちゃったな・・・おばあちゃ〜ん!」
「やあ・・・龍麻・・・元気そうだね・・・」
家から出てきたのは、おばあちゃんではなく、何故か友達の壬生狼でした。
「うわっ、紅葉!?どうしたんだよ、そんなにボロボロになって!」
「ちょっと、ね・・・」
本当はちょっとどころじゃないけどね!(爽やかに)
「・・・仕事か・・・?」
「龍麻・・・」
君(と僕)の為のね。
「とにかく手当てを・・・あれ?おばあちゃんは?」
「さあ?僕がここに寄らせてもらった時には、すでにいなかったよ」
「ふぅ〜ん・・・元気になったのかな?じゃ、いいや」
ほんとにいいのかい?
微かな疑問は一瞬で捨て去り、狼は手当てをしてもらうことにしました。
「紅葉、なんで鼻血出してんの?」
「君がかわいいからさ」(即答)
「・・・(ま、いいか)あのさー、なんかここに来るたんびに、花壇の土の盛りが大きくなってんだよねー。何でだろ・・・何でだと思う?」
「生ゴミでも捨ててるんじゃないの?」
さっきも、捨てさせてもらったからね。
「あ、肥料になるんだよね?うんうん。じゃあさー、紅葉。ポケットに入れてるの、何?」
龍麻は狼のポケットから僅かに覗く紙切れのようなモノを指差して言いました。
「これは・・・」
ブーーーーーーーーッッッ!!!(鼻血、大出血!!!)
「うわぁ!!?」
「こ、これはね、指令書だよ、うん」
さっき、おばあちゃんからくすねた最後の写真ということは秘密。
「そ、そうなんだ・・・」【脅】
「いろいろ、あってね・・・」
惜しい。鼻血さえ出してなきゃいい感じなのに。
「と、とにかく!紅葉は大人しく寝てろよ?おばあちゃんが戻るまで、ここで面倒見てやるから・・・」
「!!!」
ブーーーーーーーーッッッ!!!!!(説明不要)
「うわああああ〜〜〜!!!??」【脅】
「ふ・・・ふふ・・・もう僕はだめかもしれない・・・(悦)」
いろんな意味でな。(By;作者)
「し、しっかりしろ、紅葉!!・・・どうしよう〜〜〜???」
どうしようもない。
パニくる龍麻の横で、狼は一人、幸せをかみしめるのでした。
後日。龍麻が美里に頼まれて持ってきたクッキーは、案の定毒が入っていたので、狼は速やかに処理し(花壇に埋めたと思われる)、いつか様子を伺いに来るだろう菩薩眼の魔の手から逃れるべく、龍麻を言いくるめて二人で愛の逃避行に出ました。現在、旅をしながら幸せに暮らしているということです・・・
めでたし、めでたし。